テロワールとノウハウ

ポーヤック、世界へ開く扉

ジロンド河の左岸、ボルドー市の北約50キロ地点に位置するポーヤックはメドックのアペラションの一つで、1200ヘクタール程の広がりのある地区です。ポーヤックでブドウ栽培が行われたのは古代ローマの支配下にあった時代です。18世紀以降、ポーヤックの町は急速な発展を遂げました。ポーヤックの港はメドックワインの最も需要な取り扱い港であるとともに、ブドウを原料としたすべてのアルコール飲料の輸出入を担う港でした。19世紀から20世紀にかけて、南アメリカに向けた大西洋横断の中継地の一つとなったポーヤックでは重工業(製鉄、原油精製)が発達し、世界へ通ずる扉となりました。

そして、格付けワインのテロワール

大西洋の東でジロンド河の西側の岸辺に位置し、北のサン・テステフと南のサン・ジュリアンに挟まれたポーヤックは海洋性気候の恩恵に浴します。ブドウ栽培に非常に適した微少気候に恵まれたアペラションです。1936年に原産地統制名称となったポーヤックには、今日40件ほどのシャトーがあり、そのうち18件が1855年に格付けされていることから世界的に知名度の高いアペラションとなっています。ポーヤック村の地質はジロンド河口と並行して走る砂礫質の段丘です。これは平均10メートル程の厚みのある第四紀にできた段丘で、始新世や漸新世時代の泥土や石灰岩を覆っています。ポーヤクの主な品種はカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、プティ・ベルドー、カベルネ・フランおよびカルメネールです。

卓越したブドウ園

ポーヤックの中心部に62ヘクタールのぶどう園をもつCh Lynch-Moussasでは、非常に素晴らしいブドウが造られます。砂や粘土で固められたギュンツ氷期の大小の石を含む砂礫質の丘に植えられたブドウの樹は、そのテロワールのもつすべての富を表現するように丹念に育てられています。Ch Lynch-Moussasのブドウ園は、主要品種であるカベルネ・ソーヴィニョン(75%)とメルロー(25%)で構成されていて、他の数件の格付けシャトー(Ch Latour、Lynch-Bages、Pichon-Longueville Baron、Prand-Puy-Lacoste、そしてもちろんBatailley)と隣接しています。それがChâteau Lynch-Moussasの土壌とワインの品質の高さを裏付けています。

オー・メドックまで広がる豊かさ

2001年からCh Lynch-Moussasのスタッフは、シャトーを南に見下ろす丘に植えられているブドウの樹を利用しています。この丘はオー・メドックのアペラションの区画で、25年前後のカベルネ・ソーヴィニョンの若木がここに植えられています。この若木を利用してセカンドワインであるLes Hauts de Lynch-Moussasが造られています。この区画で収穫されたブドウはポーヤックの畑と全く同様の方法で醸造されます。土作り、施肥、耕作を始め、ブドウの樹の資質を開花させるために必要なその他すべての作業をファーストワインと同じスタッフが行うため、若木はその能力を十分に発揮します。オー・メドックのアペラションは1938年に認証され、サンテステフの北からブランクフォール市に至るまでのメドックの大半を占めるエリアです。それはポーヤックと同様に海洋性気候の恩恵に浴し、砂礫質の土壌です。オー・メドックの面積は4 600ヘクタールで、そこで栽培される主な品種はカベルネ・ソーヴィニョンとメルローです。

ブドウの樹の生命周期

立派なブドウを実らせるために、ブドウの樹は成長過程において果実の品質に影響を与えるいくつかの段階を越えなければなりません。主として2つのサイクルがあります:3月に始まり11月中旬に至るまでの成長期、そしてブドウの樹の休息期にあたる冬季です。

樹液の出る時期から開葉期まで

3月上旬に植物の成長期が始まります。 (…)

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結実期から色付き期まで

5月、ブドウの樹は多数の小さな蕾からなる房をつけます。 (…)

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成熟期

8月から10月上旬は黒ブドウの成熟期です。 (…)

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四季を通しての土作りとブドウ栽培

土作りとブドウ栽培の作業は、ブドウの樹の生命周期に沿った四季のリズムで行われます。シャトーの栽培スタッフは、ブドウの樹の最良の要素を引き出すために、このサイクルに合わせて作業を行います。
シャトーチームはこのサイクルに合わせて、ブドウ畑の良さを引き出しているのです。

シャトーの栽培スタッフはブドウの樹の剪定を行います。これは、不要な枝を切り落とし、秋に収穫する実をつける若枝に成長する芽を選ぶ作業です。 (…)

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ブドウの樹に新芽が見られ、それが成長する春には、Château Lynch-Moussasの栽培スタッフはブドウの樹の不要な枝を取り除くエパンプラージュと呼ばれる作業を行います。 (…)

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夏はロニャージュと呼ばれる刈り込み作業の季節です。これは樹液がブドウの樹の実のなる部分に集中するように伸びすぎた若枝を刈り込む作業です (…)

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秋の9月は収穫の季節です。 (…)

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ワインの醸造とタンクでのアッサンブラージュそして熟成

収穫されたブドウは除梗し、果汁を得るために破砕します。Château Lynch-Moussasのブドウは、畑の区画別に個別のタンクで醸造されます。これはブドウのトレーサビリティを明確にして畑の各区画で行った作業データと照合し、今後の作業方針に役立てるためです。

発酵・浸漬

ブドウ果汁、果皮そして種子からなるマストを数日間低温かもしして、果実味、タンニン、アロマおよび色素を引き出します。 (…)

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熟成

畑の区画の大きさに合わせた容量のタンクで醸造されたワインは、熟成蔵に運ばれ、そこでヴィンテージの品質やワイン(1stまたは2nd)に従って14ヶ月から24ヶ月の期間を過ごします。 (…)

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ボトリングと外装を経て製品化へ

ワインが出荷できる状態になると、シャトーでボトリングされ外装が施されます。ボトルはカステジャ家が所有する全シャトー共通の固有なボトルです。底の部分に刻印があり、肩の部分が膨らみ、ネックの先端部分の直径が特別であるというように、多くの細かい特殊性があるボトルです。これによりChâteau Lynch-Moussasのワインは最適な条件で瓶熟成します。Château Lynch-Moussasはハーフボトル(37,5cl)からメルシオール(18 litre)まであらゆる容量のボトルで提供が可能です。コルクは入念に選ばれた高品質のコルクを使用しています。キャップはカステジャ家の紋章の入った独自のキャップで、強さの象徴であるとともにカステジャ家の人々を表す二頭のライオンが描かれています。このライオンは強さ、勇敢さそして気高さを象徴しています。